ハングル文字の覚え方④Y音の組合せ方と発音

日本語には母音がa i u e oの5つあります。一方、韓国語には母音が21種類存在します。ここである程度の人は「覚えられない・・・」と言ってカタカナで勉強を始めてしまうのですが、カタカナで韓国語を勉強してしまうと100%上達しなくなるので、絶対やってはいけません。

なので、韓国語ペラペラになりたければ、ハングル文字を覚えるしか方法がないのですが、覚えるのが苦手だという人向けにハングル文字の覚え方を説明しているのがこのシリーズです。

前回の記事では韓国語の母音21種類のうち6種類の考え方について説明しました。まだ読んでいない方はまずそちらの記事からお読みください。

ハングル文字の覚え方③・成り立ちを知ると暗記しやすい(基礎母音編)

韓国語の母音記号は「天地人」を象徴する三つの記号「・ㅡ ㅣ」が組み合わさって作られています。前回説明した記号は「ㅏ ㅓ ㅗ ㅜ ㅡ ㅣ」の6つで、この6つは基礎母音と言われています。

この記事では「ㅣ」と基礎母音とを組み合わせて作る4つのy音を表す母音記号を説明していきます。

ㅣ + ㅏ = ㅑ [ya]記号の作り方・読み方・発音

ハングルの母音記号「ㅏ」は「a(ア)」と発音しろ!と指示する記号です。なので「아」という文字は「a(ア)」と読みます。ㅏの左側にあるㅇは「子音はゼロよ」を意味する子音記号です。

ハングルを丸暗記できた人は「ㅑ」を「ya(ヤ)」と発音する記号だとご存知だと思います。ㅏに短い横棒が一本増えたから[y]音が増えて「ya」と読む・・と覚えてもいいのですが、韓国語の文字としては次のように考えます。

「ㅣ(i)」の次に「ㅏ(a)」を発音すると「ya」になる。

つまり、韓国語の[ya]音は「子音+母音」ではなくて「母音+母音」、言い換えれば二つの母音が組み合わさってできた音であると考えます。

二つの母音が組み合わさって・・ということがピンとこない場合は早口でこう発音してみてください。

「イアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイア!」

するとどうでしょうか?だんだん「ヤヤヤヤ・・」となってきませんか?

そうなんです。yaは「i」と「a」を順番に、しかし早口で発音するとできる音なんです。なので、韓国語では[ya]と発音する記号「ㅑ」は母音として扱います。そして、二つの母音が組み合わさってできた母音を「二重母音」と呼びます。

[ya]音は「ㅣ(i)」の次に「ㅏ(a)」を発音するという意味で「ㅣ(i)」を短い棒で表現し「ㅑ」と書くと”理解”しておくと、いいですね。なお、文字にすると「야」が「ya」と読む文字になります。

ちなみに発音は日本語の「ヤ」と考えていいのですが、最初のうちはこれ以上口を開けられない!というくらい大きく口を開けて発音してみてください。すると口周りの筋肉が韓国語仕様になってきます。

さらにちなみに、本気で正確な韓国語の発音を教えようとしている韓国人の先生であれば、しっかり「ㅣ」を発音したあとで「ㅏ」を発音するように口を動かせと指導してくれるはずです。

ㅕの読み方・発音

「ㅕ」の発音は日本語に存在しないので、文字では表現できません。ただ「ㅑ」と同じ考えで作られている記号ですので、次のように考えてください。

「ㅣ(i)」の次に「ㅓ」を発音すると「ㅕ」になる。

「ㅓ」は口をこれ以上大きく開けられないというくらい大きく開けて「オ」と発音するものです。なので、「ㅕ」という母音は口を大きく開けた「ヨ」のような発音になります。文字にすると「여」となります。

日本語の「ヨ」は口が小さめなので、必ず大きく開けて発音するように心がけてください。

なお、本気で正確な韓国語の発音を教えようとしている韓国人の先生であれば、これも「ㅣ」を発音したあとで「ㅓ」を発音すると指導してくれるはずです。つまり、口を横に広げて「i」と言った後すぐに口を大きく開けるという動きをします。

ㅛの読み方・発音

「ㅛ」の発音も二つの母音の組み合わせです。

「ㅣ(i)」の次に「ㅗ(o)」を発音すると「ㅛ(yo)」になる。

これは「ㅑ」「ㅕ」と同じ考えで作られています。ただ、ㅗという記号が上を向いている記号なので、「ㅣ(i)」を意味する短い棒が上向きで表現されています。文字にすると「요」となり、子音記号が母音記号の上に配置されます。

発音は日本語の「ヨ」とほぼ同じなのですが、「ㅗ」と同じく大げさに「口を尖らせる」ところがポイントです。また、厳密にいうと口を横に広げて「ㅣ」を発音した後で「ㅗ」を発音するという唇の動きになります。

ㅠの読み方・発音

4つ目は「ㅠ」の発音もㅑㅕㅛと同じく、二つの母音の組み合わせたものです。

「ㅣ(i)」の次に「ㅠ(u)」を発音すると「ㅠ(yu)」になる。

イウイウイウイウイウイウイウ・・・と早口で発音するとだんだん「ユユユユユユユユ」になってくるのと同じ理屈です。

「ㅠ」についても「ㅣ(i)」を意味する短い棒が縦で表現されて、文字にすると「유」という配置になります。

韓国語の基本母音10個

ここまで「ㅣ(i)」から発音を始める4つの二重母音をみてきました。ここでみてきたㅑㅕㅛㅠと、前回の記事でみてきた6つの基礎母音ㅏㅓㅗㅜㅡㅣを合わせた合計10個の母音のことを一つの母音グループとして「基本母音」と呼びます。

基本母音には

ㅏ ㅑ ㅓ ㅕ ㅗ ㅛ ㅜ ㅠ ㅡ ㅣ

という並べ方があって、この並べ方を覚えておくと紙の辞書で単語を調べるときに役立ちます。

아 야 어 여 오 요 우 유 으 이

韓国語教室に通うと、何度もこの順番を発音練習するはずです。あなたもぜひ何度も声にだして覚えてしまうことをお勧めします。理屈で覚えることと、理屈抜きで反復練習を通じて反射神経に覚えさせること。語学は運動みたいなものですので両方できると上達スピードが上がっていきます。